奇才 【J・A・シーザー】の魅せるアングラな狂気の世界その➀
昔、寺山修司さんというクリエイティブで多才な方がいらっしゃいまして、その方の舞台や映画の音楽を作っていたのが【J・A・シーザー】さんです。
他にもカルトアニメの「少女椿」の曲も手掛けていたりと、前衛的な作品や過激な性的描写、アングラな雰囲気の作品と相性の良い作品を作られる作曲家さんですね。
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J.Aシーザーさんが書く曲は童謡の匂いが強く、またハードロック、プログレッシブロックを好まれている様に感じます。
今回紹介しませんが「少女革命ウテナ」の曲達は歌詞も非常に独特で、宗教や科学等の要素を織り混ぜた極彩色の毒々しい歌詞が特徴的です。
寺山修司さんは詩も書かれるのですが、「新・田園に死す」という曲では寺山さんの詩とJ.Aシーザーさんの曲が非常によくマッチしています。
とにかく危ない世界観がよく伝わってきますね。
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まず紹介するのがこちらのアルバム
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作詩を寺山さん、曲をJ・A・シーザー さんが手がけ、寺山さんの作った劇中で使われた少女詩の曲を集めたアルバムとの事。
一曲目の「新・田園に死す」からシーザーさんの全力投球が炸裂。
何、この懐かしさ。何、この田舎の夕暮れの田園風景が目に浮かぶ感じ。何でこんなに聴いていて母に会いたくなるの?!
ごめんよ母さん…俺、ちっとも親孝行できなくて…ごめんよ……
…まぁ私の母は今も元気に生きてますがね。でも、そんな気分になる曲。ホントに!
「あじあのあけぼの」は比較的ハードロック色の強い一曲。
笛の音色とシンセの温かみのあるサウンド、ギターの程よいドライブ感、暗いのか明るいのか分からない謎の曲調、謎の歌詞…
摩訶不思議な気持ちにさせられる謎の曲。
「天幕エレジー」はズンチャッチャ、ズンチャッチャのリズムが特徴的なサーカスや見世物小屋が目に浮かぶような曲。
昭和初期の様な、まさに少女椿の様な世界観が似合う曲でしょう。怪しくも美しい曲ですね。
「宵の明星」は味のあるギターフレーズと子守歌の様に優しいメロディーが特徴的。そして叙情的に盛り上がる展開に熱くになりつつも
後半はこれまた危ない見世物小屋で流れそうなリズムと激しさで不安を煽られる。
ピアノとストリングスが美しい「灰娘」歌詞が何とも切なく、痛々しい。
シンデレラを題材にしつつも少女の心情が、夢の壊れる音が聞こえて来そうな悲しい曲だ。
パイプオルガンを使い宗教的な怪しさを押し出した「血約聖書」生々しい歌詞が残酷で怖い。
やや淡々としつつもゆっくりと盛り上がる感じに狂気性を感じる。ゆっくりと毒されるようだ。
しかし民族的な笛の音色に救いの様な美しさも感じる。
ストーリー仕立ての「風見鶏のマリー」
サウンドホライズンみたいで新鮮!
でもサンホラとは違った毒がたっぷり。この昭和感、童謡感がシーザーさん最強の武器でしょう。
退廃的な雰囲気が魅力の「私窩子」熱いギターソロが満載でギターキッズにもお勧め!(笑)
ただこのアダルトな雰囲気はキッズにはちょっと早いかな…?
ジャジーでちょいと一風変わった曲「ほたる心中」お洒落なのに何処か間が抜けた雰囲気で不思議な雰囲気。
ところどころしっとり歌い上げちゃったりして、掴みどころが難しいですな。
何にせよタイトルに違わぬ物騒な歌詞が堪能出来ます!
まさに人形使いのテーマソングにピッタリな「人形つかい」
こういう曲調もシーザーさんはお得意な様で。このうさん臭くて怪しい感じ、癖になります。
J・A・シーザーさん流のTHEハードロックといった感じの「迷路盲目ばやし」
「ばやし」がつくことから分かる通り、お祭り感満載の一曲。
まさにジャパニーズ・ハードロック!!和楽器バンドも本来こうあるべきでは…?(笑)
いやいや、和楽器バンドも好きなんですけどね。失礼しました。
今回はここまでで、また次回別の作品を紹介したいと思います。
お読み頂きありがとうございましたm(__)m