現実と虚構の間 園子温「リアル鬼ごっこ」
原作を読まずに原作の名前を使っちゃったヤバい作品、園子温監督の「リアル鬼ごっこ」
- 作者: 原案 園 子温 著 碇本 学
- 出版社/メーカー: 文芸社
- 発売日: 2015/06/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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初っぱなのグロシーンもいつもの園さんって感じでそこまで驚きもしません。
ただ、主人公が訳もわからず不可解な現象や不条理な展開に巻き込まれ、周囲の人間に流されるがままに話が進んでいく様は実に怖い。
日常が突然壊され、自分だけ理由がわからず、周囲の人間の態度が皆おかしい…
映画だからその後あり得ない展開にはなるけれども、現実でもこういう状況って全然あり得ると思えませんか?
拍車をかけて怖いのが後半まで登場人物が女性しかいないところ。
結婚式場に到着した主人公に馬鹿にするような笑顔を振り撒く女性達…怖い。
こういう絵面を見ると、現実でも周囲の人間は上っ面では祝ってくれてるような態度を見せていても、陰では馬鹿にしたり笑ったりしてるんじゃないかって被害妄想が止まらなくなる…
個人的にはグロテスクなシーンなんかより、周囲の人達が急に変になったり、何を考えてるのか分からなかったり、何かを隠してる様な素振りを見せられる方がずっと怖いと思った。
それが映画でも、現実でも…。